中国語には厳密には過去形って無いんですよ〜という話、聞いたことありませんか?
中国語学習の経験者で、ネックになってくるのが「了」の使い方。
(私は今でもよく間違える(笑))
“了” は文中や文末に置かれ、さまざまな意味を表すちょーっとやっかいなもの。
今回は代表的な“了”の使い方その①:完了
✔︎完了と未完了の場合の用法
完了のアスペクト
中国語説明にアスペクトというものが使われることがあります。
そのアスペクトって噛み砕いてみると“今どの段階か”ということらしいのです。
例えば日本語では自分が行っている動作が今どんな状態なのか?を「さっき」などの言葉を補ったり動詞の活用で示せるのですが、
中国語では漢字の羅列なので出来ません。
・今食べ終わった
・今食べてる
・さっき食べたところ
これらを聞いたときに、「食べ終わった」と言っているのに「未来のことだな」とは思いませんよね。
中国語ではどうするか?
ある動作がどんな状況なのかをそれぞれ示すためのヒントとなる言葉を使うことが大切です。
文末の「了」
過去形がない中国語ですが、文末に「了」を置くことで、 行動の“完了”を表せます。
アスペクトの観点からも、
“既に終わったことだよ〜”と完了の事実を強調するために、「已經」や「昨天」などを一緒に使うと相手によりわかってもらえます!
小さなことだけど、台湾人と会話をしていると解釈が変わっていく場合が多数…
「やった、やってない」という事実を明確に話すことができて、本当に便利です!
基本の文型
主語+時間副詞+動詞(+目的語)+了
主語+已經(ㄧˇㄐㄧㄥ/yiˇ jing )+動詞(+目的語)+了
・彼女はすでに出て行ったよ:她已經走了
・学生はみんなすでに家に帰った:學生們都已經回家了
・私は昨日映画を見た:我昨天看電影了
・ 私は今朝中国語を勉強したよ:我今天早上學中文了
「了」が2回?!
ひとつの文章の中(コンマのないひと繋がりの文)で「了」が2回出てくる場合。
あまり使われません。
主語(+已經)+動詞+了+目的語+了 :(特に強調された)〜し終える
Q:
ご飯食べた?:你吃飯了嗎?
一般的なA:
食べたよ:我吃飯了/我吃了
強調する際の返答:
・食べたってば~:我吃了飯了
強調する言い方は、慣れ親しんだ相手や家族間の会話のイメージっぽいですね(笑)
ノーの返答
では、“ご飯食べた?”の質問の返答として、
“食べなかったよ”または“まだ食べていないよ”というノーの返答をしたい場合は?
“了”はすでに完了した内容を示すので、
先ほどの例文のようにYESの場合は、下のように返答すればOK!
一般的なA:
食べたよ:我吃飯了/我吃了
では、「〜しなかった」という否定形の場合。
「了」はつかず、「沒/沒有」を用いて“〜しなかった”という返答になります。
やる気持ちがあるんだけど質問された段階では“まだ”してないよ、と言いたい場合は「還沒(有)〜」を用いて表します。
「沒/沒有」を用いて“〜しなかった”
・今朝は朝ご飯食べてません:我今天沒吃早餐
・彼は昨日の午後図書館で勉強していなかったよ:他昨天下午沒在圖書館看書
「還沒(有)〜」を用いて“まだ〜していない”
・私はまだ宿題が終わっていない:我還沒寫功課
・まだ妹は日本に行ってない:我妹妹還沒去日本
・まだ朝ご飯食べてない:我還沒吃早餐
(この場合はこれから食べる気がある)
完了形の質問
〜したの?と完了形の質問はどうするか?
これがまた豊富で(笑)4つの聞き方があります。
そのうち1つは台湾だけで使う独特な質問の仕方です。
ご飯食べた?を例文に4つの言い方を紹介します。
その①:主語+動詞+目的語+了+嗎?:你吃飯了嗎?
その②:主語+動詞+目的語+了+沒(有)?:你吃飯了沒?
その③:主語+沒(有)+動詞+目的語+嗎?:你沒吃飯嗎?
(今爆食いしてる人を見て)まだ食べてなかったからか〜と今の行動の理由づけにもなる
台灣版その④:主語+有沒有+動詞+目的語?:你有沒有吃飯?
自分の頭で思っているよりも、「了」の使い方って豊富。
そして、奥が深い…
「沒」を操れるようになったら会話も広がりそうですね〜!