〈基礎から〉中国語文法 PR

中国語の人称|人の呼びかけ方は?|中華圏独特な家族の呼び名に困惑!

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外国語を勉強する時にまず習う挨拶などよりも、相手のことを呼びかける人称って意外と重要ですよね。
今回は基本の基本、中国語の人称代名詞をまとめてみました。
英語みたいに人称によって主語の形が変わるなんてことがない(なぜなら漢字は形を変えられないから!)ので、日本人にはなんとも嬉しい言語です。

1人称:わたし→我 (ㄨㄛˇ/woˇ)
2人称:あなた→你/妳(ㄋㄧˇ/niˇ)・您(ㄋㄧㄣˊ/ninˊ)
3人称:彼・彼女・もの→他・她・它/牠/祂(ㄊㄚ/ta)
它→もの
牠→動物
祂→宗教的な存在の神

複数形:我・你・他の後ろに「們(ㄇㄣ˙/meˊn)」

 

一般的に女性を呼ぶ時:小姐(ㄒㄧㄠˇ ㄐㄧㄝˇ/xiaˇo jieˇ)
一般的に男性を呼ぶ時:先生(ㄒㄧㄢ ㄕㄥ/xian sheng)

その他肩書があれば名前の後につける

その他注意点

台湾で使われる中国語では、
相手が女性だけであれば女編の「妳」に置き換え可能です。
男性と女性混じっていれば置き換える必要はありません。
複数形の「們」は特定の名詞後につけて複数人いることを表せます。
(先生たち:老師們 /学生たち:學生們 /男性たち:先生們 /子供たち:孩子們/ 女性たち:小姐們..)
日本人們 などは使えません。

「您」は「你/妳」の丁寧版 年上の方、お客様に使います。

 

夫婦間で

まずは誰かを呼ぶときにきちんと人称を使えればそれでいいんです。
誰のことを話しているか、指しているかが伝わるのが1番重要です。彼女が、彼が、と「他、她、他」と連続で使うとなかなかややこしいので、名前を入れるとか区別が必要な時もありますけどね。

さて、一般の人から家族の方へ目線を向けてみようと思います。
夫婦間でも「你」で呼びます。
でもより愛し合ってる感が出る「あなた♡」「ハニー♡」みたいな呼び方も実はあります。

奥さんは「老婆(ラオポー)・ㄌㄠˇㄆㄛˊ/laˇo poˊ」
旦那さんは「老公(ラオゴン)ㄌㄠˇㄍㄨㄥ/laˇo gong」

旦那さんはいいけど、奥さんに至っては「ロウバ」だから受け入れがたい気もするけど…
一生一緒に添い続け歳をとっていくってことですね。
何十年も年月を重ねてようやくしっくりきそうな言葉です。

注意点

・家の中で夫婦間や親しい友人と話すときに使います
・初対面の人に“あなたの旦那さんは〜”と話すときには使いません

例えば親しい友人であっても必ず「誰々の老公」と呼ばないと、関係がおかしなことになってしまいます。
必ず「あなたの、または彼女の旦那さん」という風に所有格をはっきりさせます。
ついつい忘れてしまったら「わたしの旦那と何か関係があるの?!」と
疑いの視線を浴びてしまうので注意です…

一般的に夫婦を表す中国語は

夫=先生(ㄒㄧㄢ ㄕ /xian sheng)
妻=太太(ㄊㄞˋ ㄊㄞ˙/taˋi tai˙)

“わたしの夫は〜です”と話しをするときや
“彼女がわたしの妻です”、と誰かに紹介するときなど一般的に使われます。

例えばこんな場合…

日本人の田中夫婦と台湾人の先生がいるとします。
夫婦2人で一緒に中国語のクラスを受けているとしたら先生はこんな風に呼びます。

旦那さんのことを「先生」
奥さんのことを「田中太太」

ある会社で結婚してる女性が働いています。
会社では女性は既婚と分かっていても「太太」とは呼ばれません。
「田中小姐」と呼ばれます。

ぷけこ
ぷけこ
日本語でいう「田中さんの奥さん」と言われる場面では「太太」が登場するイメージですね。

台湾って、日本と外国の中間でいい要素をざっくり採用している“本当にちょうどいい”場所なのではないかと感じます。
台湾では“幾つになっても新婚のよう”と言う言葉がぴったりなほど、年配の方がハツラツとしていて手を繋いでデートを楽しんでいます。

家族間、親戚の呼び方

中国語では父方の親、母方の親、親族など呼び名が全部違います。
名前よりも親族名称で呼ぶことが多い中華圏。
日本語は、「おじさん、おばさん」一まとめにできる呼び名も、自分から見てどういう親族の関係かを判断できる呼び方がそれぞれ決まっています。
とってもややこしいのですが、テレビなども人間関係が分かりやすくなるので知っていて損はないと思います。
家族相関図をイメージして読んでいただけるとスムーズかと思います。
代表的なところをざっとあげてみました。

両親:父母,雙親,父母親,爸媽

お父さん:父親,爸爸
お母さん:母親,媽媽,媽咪
妻から見て夫の両親(義理の父、母):公公,婆婆
夫から見て妻の両親(義理の父、母):丈人,丈母娘

父方の父、母:爺爺,奶奶
母方の父、母:外公,外婆

台湾では台湾語もあるので、実は両親の世代(60—70歳くらい)の人はみんな
台湾語のおじいさん、おばあさん:阿公,阿嬤
で一括呼びできます!

自分と苗字が同じいとこ:堂+兄弟姐妹
自分と苗字が違ういとこ:表+兄弟姐妹
台湾では夫婦別姓ですが、子供は基本的にお父さんの苗字を名乗ります。

私の家族:我家人
ひと家族:一家人

・兄弟姉妹はいますか?:你有兄弟姐妹嗎?

中国語では男女の姉妹は混合にしません。
「兄弟」は男だけ、「姐妹」であれば女だけの姉妹のことです。

例えば自分は3姉妹だとして

・男兄弟はいますか?:你有兄弟嗎?

と聞かれたら答えは「いません:沒有」になります。
性別の混ざっている”きょうだい”であれば「2人の姉と1人弟がいます:我有兩個姐姐和一個弟弟 」と答えるといいです。

・何人家族ですか?:你家有幾個人?
・5人家族です:我家有五個人

姉:姐姐
妹:妹妹
兄:哥哥(我有一個兄兄とは言いません)
弟:弟弟

きょうだいは1番上が「大」、その下は数で数えていく
1番目の子、2番目、3番目…:老大,老二,老三,老四

上の姉、2番目の姉:大姐,二姐
上の弟、2番目、3番目:大弟,二弟,三弟
上と下:大弟,小弟
末っ子:老么(ㄌㄠˇ ㄧㄠ/laˇo yao )

何番目?:你排行(ㄆㄞˊ ㄏㄤˊ/paˊi haˊng)老幾?
私は上から4番目:我排行老四/我是老四

老幾?(你是老幾?):何番目?とあんた何様?という意味があるので使い方注意!

王さんとこの息子さん:王小弟
王さんとこの娘さん:王小妹

中国語で見知らぬ人でも呼びかけで「弟弟」「妹妹」が使われることがあります。
例えば「お姉ちゃん、何買いますか?」という問いかけは「妹妹,妳要什麼?」など下の人を呼ぶときに愛嬌を込めている感じです。

呼び名といえば

中国人の苗字は1文字が多いですが、そのまま1文字で呼び捨てにしてはいけません。

「おーい、林!」

みたいな学生のノリになってしまいます(笑)

名詞も2文字にするなど縁起にこだわる事もあり、苗字にもその人の肩書きや◯◯〜ちゃん、◯◯くんなどと付けて2文字にします。

例えば

相手が教師であれば、林 老師(先生)!

相手がお医者さんなら、陳 醫生(先生)!

男の人なら、 王 先生(さん)!

女の人なら、 黄 小姐 (さん)!

年下であることが確実な時であれば「小」をつけて、小林(シャオリン) (◯◯〜ちゃん、◯◯くん) とすれば2文字になります。
もし苗字が2文字であれば、わざわざ「小」は付けません。

台湾では 你好(こんにちは)などのあいさつを人を呼ぶ代わりに付ける人も多いようです。朝でも夜でも、どんな人にも使えるので便利ですね!

また、上下関係なのか(?)兄弟姉妹がいる場合は、ほぼ確実に子供の名前ではなく「兄、姉、妹、弟」で呼ぶんです。

例えば、お姉ちゃんが弟のことを 弟弟(でぃーでぃ)!と呼び、弟はお姉ちゃんのことを 姐姐(じぇじぇ)!と呼ぶんです。

日本でもお兄ちゃん、お姉ちゃんはイメージありますが、弟くーん、妹ちゃーん、とはあまり呼ばないですよね。
家族でも弟、妹のポジションを一種のニックネームにして使っているイメージでしょうか?

さて、ちょっと脱線なのですが…名前の呼び名ルールを学んだわたしは「はっ!」としたことがありました。

日本の国民的アニメ名探偵コナンは、最新話とはいきませんが台湾でも翻訳され、中国語に吹き替えされています。
それぞれが声寄せてるのかなあ、と思うほど違和感がありません。
アニメを見ていて蘭ちゃんの名前が「小蘭」になっていることを思い出したのです!
例の2文字ルールです。こんなところにまで2文字にこだわるとはね、すごい!としみじみ。

あ、ついでになのですが…

蘭が「新一…」と呟くシーンありますよね。

これ台湾では「しんいち」ではなくて、「しんい」で止まるんですよ!

あー、なんか足りない
数字の1を中国語では「イー」と発音するので、「しんい」で終わっちゃうんです。これは未だに慣れません。

誰か共感してくれる人いるかなあ〜!